超新星 (SN 2017czd) の観測

ダジック・アースを導入!
先日、4/5 (水) に3月から準備していたスチロール半球に『ダジック・アース』を投映する手法を、お客様向けに初披露しました(おもしろ科学実験 “宇宙を探検しよう” にて)。
ダジック・アースは地球や惑星などの天体を立体的に観察するために、京都大学大学の地球科学輻合部可視化グループによって開発されたものです。阿南市科学センターでは直径 1.2 メートルのスチロール半球を使い、今後科学センター理科学習、天文イベント、教員研修などで利用する予定です。お楽しみに☆
【追記: 2017/05/16】
徳島新聞さんに取材の上「地球などを立体表示 阿南市科学センターが新装置」という記事を掲載していただきました。
夜空の宝石・ダブルスターを観察しよう!パート2

3/26 は特別観望会として『夜空の宝石・ダブルスターを観察しよう!パート2』を開催する予定でしたが、残念なことに悪天候で中止となってしまいました。
ダブルスター(二重星)とは、肉眼では一つにしか見えない星が、望遠鏡を通して観察すると大変接近した二つの星として(分離して)見える天体のことです。二重星によって星の間隔、明るさ、色などが異なるため、それぞれ味があり、まるで宇宙の宝石を見ているようでもあります。
ちなみにイベントの資料として事前に冬や春に見やすい二重星の写真をいくつか 113cm 望遠鏡で撮影していました。その写真たちはHPで公開していますので、ご興味のある方はぜひご覧ください(観察用の星図もあります)。このダブルスター観望会については、また2017年度のどこかで開催したいと考えています。
宵の明星がそろそろ見納め
昨年の秋ぐらいから夕方西の空で見易かった金星(宵の明星)も、そろそろ見納めの時期に入ろうとしています。2017年3月23日には内合といって、太陽・金星・地球が直線状に並ぶため(図1参照)、それ以後は太陽の西側に金星が移動していき、明けの明星となります。

金星は地球よりも内側をまわる惑星(内惑星)なので、その外側にいる我々は金星を(望遠鏡で)観察すると、金星の位置によって太陽光の当たり方が変わるため、金星の形が変化して見えます(図1参考)。この金星の満ち欠けは、地球に近いときほど細く、地球から遠ざかるほど満ち、さらに当然地球に近いときは見かけのサイズは大きく見え、遠いときほど小さく見えるという現象が起こります。かつてガリレオ・ガリレイは望遠鏡でこの金星の満ち欠けを観察し、これを地動説の証拠の一つとして考えたと言われています。

上の写真は科学センターで3月11日に撮影した金星の様子です。内合が近いこともあり、とても細い状態で観察できました。ちなみに、金星の次の外合は 2018年1月9日となるので、また宵の明星として観察するには来年以降になりそうです。
深紅に輝くクリムゾン・スター

3月中旬ごろとなり、夜空も着々と春の装いに変化していますが、前半夜にはまだ冬の星座たちが夜空を彩っています。冬の星座といえばオリオン座が真っ先に思い浮かぶでしょうが、実はその足元にはうさぎ座という小さな星座があります。明るい1等星を持たないので、あまり話題にあがらない星座ですが、実はうさぎ座には天文ファンを虜にする魅惑の星があるのです。
その星の名はクリムゾン・スターと呼ばれ、望遠鏡で観察すると深紅に輝く姿がともて印象的です。その赤さはまるで白ウサギの赤い目玉を見ているようでもあります。ちなみに、この星は明るさが変わる変光星としても有名で、うさぎ座R星 (R Lep) という変光星名がついています(変光星の話題については、過去の記事も是非合わせてご覧ください; [リンク1], [リンク2])。変光星のタイプとしては脈動型(ミラ型)に分類され、約445日の周期でもって約 5.5~11.7等の変光を示します。しかし、極大時の光度は必ずしも5等台にはならず、今期の極大光度については約7等までしか明るくならなかったようです(参考: VSOLJ)。
2017年3月現在においては、極大期を追えてジワジワと減光しているようですが、日本変光星研究会に寄せられた観測報告によればまだ約8等星として見えているようです。残念ながら肉眼で見ることは難しいですが、望遠鏡をお持ちの方は是非とも、クリムゾン・スターが放つ深紅の輝きをお楽しみください。
ばら星雲

科学センターの望遠鏡で撮影した天体写真から、今回はいっかくじゅう座の「ばら星雲」についてご紹介します。
この天体は写真に撮ると赤い星雲がまるでバラの花のように写ります。上の写真では NGC2237 と簡便にカタログ番号を表記していますが、実際には NGC 2237, 2238, 2239, 2246 という4つのカタログ番号にまたがっています。
写真ではとても目をひく天体ではありますが、実は非常に淡い天体なので望遠鏡で星雲部分を見ることはとても難しい側面があります。そのため、ばら星雲自体よりも先に、天体中央部にある散開星団(NGC 2244)から発見された経緯があります。この散開星団は17世紀のイギリス人天文学者 J. フラムスチードによって発見され、その後 19世紀になりイギリス人天文学者 J. ハーシェルによって星雲部分(NGC 2239)が初めて発見されました。
この天体までの距離は諸説ありますが、一般に約4600光年と考えられています (参考: 理科年表)。ばら星雲の見かけのひろがりは満月の約2倍(約1°)なので、実際には約80光年に渡って宇宙空間に広がっていると計算できます。
ちなみに、ばら星雲は主に水素からなるガスで形成されています。このガスは星を作る材料にもなり、星雲中央部にある散開星団 (NGC 2244) は、ばら星雲から誕生したと考えられています。現在も新しい星が次々に誕生しているようで、若い星や星形成といった分野で重要な研究対象となっています。
主な参考資料:
- SEDS Messier Database [link]
- 国立天文台 [編], 2016, 「理科年表」, 丸善出版

