
科学センターの望遠鏡で撮影した天体写真から、今回はいっかくじゅう座の「ばら星雲」についてご紹介します。
この天体は写真に撮ると赤い星雲がまるでバラの花のように写ります。上の写真では NGC2237 と簡便にカタログ番号を表記していますが、実際には NGC 2237, 2238, 2239, 2246 という4つのカタログ番号にまたがっています。
写真ではとても目をひく天体ではありますが、実は非常に淡い天体なので望遠鏡で星雲部分を見ることはとても難しい側面があります。そのため、ばら星雲自体よりも先に、天体中央部にある散開星団(NGC 2244)から発見された経緯があります。この散開星団は17世紀のイギリス人天文学者 J. フラムスチードによって発見され、その後 19世紀になりイギリス人天文学者 J. ハーシェルによって星雲部分(NGC 2239)が初めて発見されました。
この天体までの距離は諸説ありますが、一般に約4600光年と考えられています (参考: 理科年表)。ばら星雲の見かけのひろがりは満月の約2倍(約1°)なので、実際には約80光年に渡って宇宙空間に広がっていると計算できます。
ちなみに、ばら星雲は主に水素からなるガスで形成されています。このガスは星を作る材料にもなり、星雲中央部にある散開星団 (NGC 2244) は、ばら星雲から誕生したと考えられています。現在も新しい星が次々に誕生しているようで、若い星や星形成といった分野で重要な研究対象となっています。
主な参考資料:
- SEDS Messier Database [link]
- 国立天文台 [編], 2016, 「理科年表」, 丸善出版