クリムゾン・スターの星図と写真 (作図/撮影: 阿南市科学センター).

3月中旬ごろとなり、夜空も着々と春の装いに変化していますが、前半夜にはまだ冬の星座たちが夜空を彩っています。冬の星座といえばオリオン座が真っ先に思い浮かぶでしょうが、実はその足元にはうさぎ座という小さな星座があります。明るい1等星を持たないので、あまり話題にあがらない星座ですが、実はうさぎ座には天文ファンを虜にする魅惑の星があるのです。

その星の名はクリムゾン・スターと呼ばれ、望遠鏡で観察すると深紅に輝く姿がともて印象的です。その赤さはまるで白ウサギの赤い目玉を見ているようでもあります。ちなみに、この星は明るさが変わる変光星としても有名で、うさぎ座R星 (R Lep) という変光星名がついています(変光星の話題については、過去の記事も是非合わせてご覧ください; [リンク1], [リンク2])。変光星のタイプとしては脈動型(ミラ型)に分類され、約445日の周期でもって約 5.5~11.7等の変光を示します。しかし、極大時の光度は必ずしも5等台にはならず、今期の極大光度については約7等までしか明るくならなかったようです(参考: VSOLJ)。

2017年3月現在においては、極大期を追えてジワジワと減光しているようですが、日本変光星研究会に寄せられた観測報告によればまだ約8等星として見えているようです。残念ながら肉眼で見ることは難しいですが、望遠鏡をお持ちの方は是非とも、クリムゾン・スターが放つ深紅の輝きをお楽しみください。