2017年の最大・最小の満月

2017年の最大・最小の満月.撮影機材: Kenko MZ-5000 + EOS kiss Digital X7i.(撮影: 阿南市科学センター)
2017年12月3日から4日にかけての夜は、2017年内で最も大きく見える満月の日でした。ちなみに6月9日は逆に最小の満月が見られ、上の写真はそれぞれの日に撮影したものを並べています。 12月3日は地球と月の距離が約35万8千kmにまで縮まり、6月9日は約40万6千 kmまで離れていました。地球と月の距離はよく図鑑などでは38万kmと記載されていますが、これは平均距離となっています。実は月の軌道は楕円になっているので、地球からの距離が最大で約5万km変化し、月の見かけの大きさも十数パーセント変化が起こるわけです。最近は月が最も地球に近いときの満月を「スーパームーン」などと呼んで、報道機関でよく取り上げられようになりました。 ※スーパームーンという言葉は学術用語ではありません。 ところで2018年1月2日の満月は、12月4日の満月よりもさらに地球に近づき、0.5パーセントほど大きく見えます。もし今回見逃してしまった方は、是非お正月早々に見える大きな満月をお楽しみください。

地球に接近中の小惑星 2012 TC4 を観測

113cm 望遠鏡で捉えた地球に接近中の小惑星 2012 TC4 (2017年10月11日22時56分~23時17分頃). 露出時間は6秒、計96コマを GIF アニメ化 (約138倍速). カメラは SBIG STX-16803, 測光フィルター無し.

2017年10月11日の夜、地球に接近中の小惑星 2012 TC4 の撮像観測を、四国最大の 113cm 望遠鏡で行いました。最接近は2017年10月12日14時42分頃(JST)、日本では昼間の時間なので、今回前日に観測を実施する運びになりました。

この小惑星は2012年10月4日にハワイのパンスターズ望遠鏡によって発見され、発見から約8日後には地球から約9万5千 km にまで接近し、当時研究者の間で話題を集めました。当時の観測から、太陽の周囲を約609日で一周し、大きさは20メートルくらいの小ぶりな小惑星だと考えられています (参考1)。

それから5年あまりの月日が流れて、今回 2012 TC4 は前回の接近よりも距離をつめ、約5万 km まで地球に近づきました。今回の接近は地球と月の距離(約38万km)の約8分の1に相当します(以前観測を行った 2014 JO25 は約180万kmまで接近)。ちなみに我々が11日23時頃に観測した時点では、およそ39万km にまで接近していました。

ところで予報に従えば(参考2)、最接近時は13等星くらいまで明るくなったようで、前日の観測では約15等の明るさで捉えることができました。さらに上に示したアニメーション画像をよく見て頂くと、移動していく小惑星の明るさが変わっており、おそらく小惑星の自転によって生じる変光が捉えられています。

2012 TC4 の軌道 (作図: 阿南市科学センター). 惑星は今回観測を行った2017年10月11日ごろの位置を示しています.

最接近後は、どうやらすぐに暗くなってしまうようで、日本時間で12日15時には15等台、16時には20等台との予報でした。上の図のように、地球軌道を離れていくと、火星軌道の外側をグルっと周回してゆきます。なお次回、今回のように 2012 TC4 が月軌道の内側にまで接近するのは2050年頃のようです(参考3)。


【関連記事】

・地球に接近した小惑星 (2014 JO25) の観測

追記

徳島新聞 10月13日(木) 32 面に記事が掲載されました。

中秋の名月2017

中秋の名月(2017年10月4日)

2017年の中秋の名月は10月4日(水)でした。月齢は 13.9 で、満月の二日前となり、すこ〜しだけ欠けた月を見ることができました。阿南市科学センターでは同日、特別観望会を実施し、老若男女60名を超えるお客様にご来場頂きました。最初の「月のお話」をした会場はほぼ満席となりました。

特別観望会「中秋の名月を観察しよう!」のお話会場。お話の途中、ダジックアースを使って月の表面を立体的にご覧いただきました。

イベント時は四国最大の 113cm 望遠鏡の利用のみならず、観望デッキにはスマホで月面が撮影ができるコーナーも設け、多くの方に中秋の名月をお楽しみ頂くことができました。ご来場頂いた皆さま、誠にありがとうございました!

四国最大の 113cm 望遠鏡で月面を観察しているところ.

小型望遠鏡を使いスマートホンで月面を撮影するコーナー.

宇宙の日記念イベント2017

2017年も『宇宙の日』を記念したイベントを9月23日(土)に科学センターで行いました。これに合わせて応募を募っていた作文・絵画コンクールについても、市内外から多くの応募があり、計10点の作品が阿南市科学センター賞として見事入選しました(テーマは「月へ」)。ブログでは最優秀作品2点をご紹介しておきます。

 

絵画の部・中学生部門 最優秀賞/大橋 歩実 (羽ノ浦中学校2年生)

 

絵画の部・小学生部門 最優秀賞/大野朱莉 (羽ノ浦小学校1年生)

なお、当日のイベントはコンクールの表彰式に加えて特別講演会を行い、講師として国立天文台・天文情報センターの山岡均先生をお招きしました。講演は「超新星爆発: 宇宙最大の花火」というテーマで、超新星の正体やメカニズムについて、最新の話題もとりいれつつ、とてもわかりやすくお話をして頂きました。

ところで、講演会後に予定していた「土星観望会」はあいにくのお天気で実施できず・・・ 土星は来年の夏からまた見ごろになりますので、今年土星を見れなかった方は来年の夏に是非また定期観望会にいらしてください☆

ペルセウス座流星群2017

お盆も過ぎ去り、いよいよ8月も後半戦に突入しますが、皆さんは2017年のペルセウス座流星群はご覧になられましたか?今年は8月12日の晩がピークと言われ、阿南市科学センターではこの晩、流星群の観察会を行いました。

特別観望会「ペルセウス座流星群を観察しよう!」@阿南市科学センター. 写真は観察前に行った流星にまつわるお話会. なんと立ち見が出るほど!

イベントにはトータルで250名を超えるお客様にご来場頂き、多くの明るい流れ星を皆さんと一緒に観察することができました。流れ星が流れるたびに大きな歓声や拍手が起こり、徳島の阿波踊りとはまた違った熱い雰囲気に包まれました。

イベント中は概ね晴れていたのですが、残念ながら21時過ぎくらいから雲が多くなり、月の影響もあって科学センター付近では一時条件が悪くなってしまいました。今回一応、流星用の観測カメラを仕掛けて動画撮影していたのですが、深夜には少し天気が持ち直し、月の影響はあるものの明るい流星を幾つか検出することができました。流星が流れる瞬間をハイライトで YouTube に UP したので、是非以下から御覧ください!

この動画の前半は8月11日のテスト観測で検出した流星です。散在流星も含まれていますが、ピーク前夜においてもペルセウスザ流星群が幾つか写っています。なお機材は ZWO社の ASI120MM というカメラと付属の 2.1mm レンズを使い、HandyAvi というソフトウェアで流星の検出と記録を行っています。

月面のX (July 1, 2017)

上弦の月に浮かび上がる月面X (撮影: 阿南市科学センター, 2017年7月1日). 25cm 屈折 + iPhoneSE (コリメート撮影).

2017年7月1日(土)に、「月面のX」を観察することができました。この日は幸いに梅雨の中休みということもあって、天体観望会では多くのお客様に月面のXを楽しんで頂くことができました。前回月面のXが見られたのは今年の5月3日で、今回約2ヵ月ぶりとなります。次回、月面のXが見られるのは8月29日の日没後になるようです(参考リンク)。

月面Xのクローズアップ (撮影: 阿南市科学センター, 2017年7月1日). 113cm 望遠鏡 + iPhoneSE (コリメート撮影).

ところで、この日は月と木星が約2度(満月4個分くらい)にまで接近しており、月面のXのみならず、月と木星のランデブーも観望会でお楽しみ頂けました。なお来る7月7日(七夕)には月と土星が約5度(満月10個分くらい)にまで接近します。もし晴れていたら、織姫星と彦星だけでなく、ぜひ月と土星のランデブーもお楽しみください。


関連記事

2017年5月3日の月面のX

2016年8月10日の月面のX

2017年の木星と月の接近リスト

2017年の土星と月の接近リスト