
秋も深まる11月。そんな中、二人の日本人が独立で新たな彗星を発見をされました!日本人による彗星の発見は約5年ぶりです。
香川県観音寺市の藤川繁久さんと、徳島県阿波市の岩本雅之さんは、それぞれ独立に11月8日の明け方、東の空(おとめ座)で約10等台の新天体に気が付き、国立天文台に報告されました。その情報は、国際天文学連合の天文電報中央局などを通じて世界中に広く発信され、国内外の観測者によって追跡観測がなされ、新彗星発見として広く知れ渡りました(CBET 4569 / NEW COMET = TCP J12192806-0211143, 国立天文台トピックス)。なおこの天体はアメリカ・カリフォルニア州の D. E. マックホルツさんも独立に発見しています。この3名の発見時刻(観測時刻)は以下のとおりです。
| 発見日時(世界時間) | 発見日時(日本時間) | 観測者 |
| 7日12時43分頃 | 7日21時43分頃 | マックホルツ氏 |
| 7日19時44分頃 | 8日04時44分頃 | 藤川氏 |
| 7日20時11分頃 | 8日05時11分頃 | 岩本氏 |
日本人による彗星発見は、2013年3月に岩本雅之さんが発見された Iwamoto 彗星 (C/2013 E2) 以来となり、約5年ぶりです。さらに、藤川繁久さんは過去7回(2002, 1988, 1983, 1978, 1975, 1970, 1969年)にわたって彗星を発見されており、うち6つの彗星にご自身のお名前が命名されています(他の独立発見者の名を含むものもあり / 参考資料: 国立天文台「日本人が発見した彗星一覧」)。
今後、この彗星には国際天文学連合によって仮の名前 (仮符号) が付与されます。さらに追跡観測などの情報が整理されていけば、発見者のお名前がこの彗星の正式な名称になるかもしれません。
ところで、近年アマチュア観測家による彗星の発見は難しい状況にあります。その背景には世界中の大学や研究機関によって、ロボット望遠鏡による大規模な夜空の監視が自動で効率的に行われるようになったからです。それによって、アマチュア観測家が持てる観測機材などでは太刀打ちしずらい時代となりました。そのような時代だからこそ、今回の彗星発見は、世界中の天文ファン・研究者を驚かせ、そして彗星発見に情熱を注ぐ人々に勇気を与えたことでしょう。
なお、阿南市科学センターでは11月11日明け方にこの彗星の観測を同施設の大型望遠鏡 (口径 113cm 望遠鏡) で行いました。観測によって得られたデータはこの彗星の正確な軌道を計算するための貴重なデータの一つになるため、近く国際天文学連合の天文電報中央局に報告する予定です。
【追記: 11/12】
この彗星に、Machholz-Fujikawa-Iwamoto 彗星 (C/2018 V1) という名前が無事命名されました!(CBET 4572). 発見者の方々、本当におめでとうございます!