
科学センターの 113cm 望遠鏡で撮影した天体写真から、今回はおうし座の M1 こと「かに星雲」についてご紹介します。
現在、かに星雲は超新星爆発を起こしたあとの残骸(超新星残骸; supernova remnant)として知られ、この大爆発は西暦1054年に起こったと考えられています。その当時、中国では「客星」として記録が残っており、最も明るいときでマイナス6等星はあっただろうと言われています。ちなみに日本においても、鎌倉時代の藤原定家 (1162–1241) が書いた「明月記」の中に、伝聞としてこの超新星の記録があります。
超新星爆発が起こってからすでに900年以上が経過していますが、爆発で飛び散ったガスは現在も膨張を続け、さらにその中心には中性子星と呼ばれる天体が存在しています。実はこの天体からX線などの非常に強い電磁波が放出されており、その影響で拡散したガス(水素、酸素、窒素、硫黄など)が発光するため、私たちは現在も星雲として観測することができるのです。
なお天の川銀河で確認された超新星は1604年を最後に観測されていません。大雑把ではありますが、1つの銀河において超新星は100年に1個の割合で出現するだろうと言われています。我々は天の川銀河の全体を見渡すことができないので、100年に1個というのは難しいのかもしれませんが、それでも400年以上も超新星が観測されていないので、天の川銀河内の超新星が見られる日はそう遠くないのかもしれませんね。